アメリカの写真家ロン・ジュードは、1990～92年にルイジアナ州バトンルージュとジョージア州アトランタの公立学校を訪問し、校内を撮影しました。

ジュードに誘われるがままに窓や戸口、壁のすきまから誰もいない教室や廊下を覗くと、見つめることの危うさや不確実性を誰もが意識せざるをえなくなるでしょう。

学校を画一的で陳腐な学びの場であると考えるジュードが写した単調な空間や物体は、写真が持つ語りの制約と意識とをつなぐ結合部分を探す役割を果たしています。

鋭い色彩感覚、過激なフレーミング、シャロー・フォーカスによって誇張された独特の視覚言語を用いて、ジュードは親しみと不気味さを合わせ持ち、緊張に満ちた世界を創造したのです。

この写真集を皮切りに、ジュードは25年間のあいだに『もう一つの自然』、『アルプスの星』、『リック・クリーク・ライン』、『ラーゴ』などさまざまな写真集を発表しました。

2017.5

96 pages
Hardback with embossed raw board cover and silkscreen printed jacket

22 cm x 26 cm

ISBN:978-1-910164-79-2

Price:4500yen+tax